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世界でも珍しい日本の自動販売機のデザイン性の高さ

地方自動販売機とは

自動販売機が日本国内で普及し始めた当時、日本の労働環境は、町工場や伝統工芸、地場産業などの地域色の強い職業を除いた大多数の会社員にとって、劣悪極まりないものであり、現在でも残る残業や徹夜仕事も一層深刻なものであったことから、自動販売機のもつ、いつでも手頃な値段で飲み物を簡単に購入できるという機能は見事に需要とマッチし、世界的にトップレベルの治安の良さに伴う、自動販売機への窃盗目的での盗難や破壊の被害の少なさも重なってか、日本全国に自動販売機が普及していきました。

設置台数が少ないうちは、設置するだけでも十分に利益を得られた自動販売機ですが、自動販売機が全国的に普及してしまうと、競合する自販機とのシェア争いに移行してしまったため、自動販売機のラインナップ等も独自化が進み、地方の飲料メーカーや個人事業主によって設置された自動販売機は地域色を強め、地方自動販売機へと変化していったのです。

デザイン性の高い地方自動販売機

当時の日本の労働環境と国民性、治安の良さもあって、全国的に普及していった自動販売機は、設置後は維持管理を継続するだけで利益が出るという効率性の高さから、多くの法人や企業、個人事業主によって競い合うように設置されていったため、全国に普及しきるとシェア争いが激化していき、商品のラインナップや自動販売機の追加機能による差別化が図られることになります。

シェア争いにおいては、商品のラインナップや自動販売機の追加機能のように実用的な側面からのアプローチだけでなく、視覚へのアプローチも行われており、有名飲料メーカーはブランド力を背景に自社ロゴベースのデザインを自動販売機に施し、地方の飲料メーカーも地方におけるブランド力を生かしこれに追随しましたが、近年は自動販売機を景観の一部と捉える動きもあってか、地方では特にデザイン性に配慮したハイセンスな自動販売機も少なくありません。